救命救急科に行きたいと言ったら怒られた話

ポリクリが始まると、高確率で聞かれる質問に、

「何科に興味があるの?」

というものがありますよね。

今日はそれについて。

 

 

実際なんて答えるのが正解なのか

外科では外科志望、内科では内科志望と言え!という情報もありますが、

私個人の意見だと、まったく興味も無い科でわざわざこびへつらう必要ないんじゃないのかな、とも思います。別にそれで成績が変わることはありませんでしたし。

(かといって真逆の科を出すのは反発を買う気もしますが笑)

 

むしろ、それを聞いた先生がその科の先生に話してくれていて、その科の実習に行った時に話しかけてくださったこともありましたし、

他科から見たその科の率直なイメージを聞けることもあるので、候補が絞られている人は正直に話すのも悪いことじゃないと思っています。

 

…逆に、いちいち診療科が変わるたびに「○○科(回っている科)に興味があります!」と言っていると、めんどくさいことが多いんですよね!!

相手が熱心な先生だと、まさかの連絡先を教える羽目になったり、

「具体的に○○科のどの分野に興味があるのか?どういう疾患をメインに専門をとるのか??この論文は読んだことがあるか??ちょうど今オペがやってr」

のような大惨事を招くことがしばしばあり、班員にまで被害が拡大して嫌われる…なんてことにもなりかねません。(ポリクリ中の悪口の上位ですよね)

 

…ということもあり、

私は自分の希望の診療科をある程度一貫させて答えていました。

実は気になっている科やできるようになっておきたい科で、柔軟に対応すればいいんじゃないかな~。

もちろん個人の自由ですが!笑

あくまで私の一意見です。

 

 

うなぎ、怒られる

題名からお察しの通り、わたしはずっと救命救急科に憧れています。

これを言うと、まあいろんな人から

 

「あ~コードブルーの影響ね笑」

「まあ一見ドラマっぽっくてかっこよく見えるよね笑」

 

と言われます。友達も他科の先生からもよく言われます。笑

そして、先生方は割と真顔でこう言われるんです。

 

「やりがい無くない?」

「すぐ飽きるよ」

「(遠回しに)女はマイナー科の方がいいと思うよ」

「結婚した後のこと、ちゃんと考えてるの?」

 

最初言われたときは結構ビビったんですが、

これ、1年間で5回以上言われました。(それぞれ別の科の先生から)

しかも一回一回が長い。禁忌肢踏んだか?ってくらい語りだします()

 

そもそも、誰がどんな理由で救命救急科を志したって個人の自由だと思うのですが、

なんていうか、内容がメリットデメリットとかじゃなくて、もはや中傷なんですよね。

他科への理解の無さ偏見女性差別を素でやってる先生が結構多いことに唖然。

 

そして、医療無関与の人からは「女は○○科なんじゃないの?」と言われたり。

親でさえ、「救急なんて見栄を張るな!開業しろ!」と猛反対(医者じゃないのになぜ言い切る)。

 

うーーん、生きづらい。

 

 

救命救急科の実情

医療ドラマを見て医師を志す人が多いように、救急のドラマを見て救命救急医に憧れる学生は沢山いるんじゃないでしょうか。もちろん私も見てました!コードブルー。

 

めちゃくちゃかっこいいしエモかった!

ただただ目の保養。癒し。ドラマとしては最高。

ちゃんと映画も見に行きましたよ~。

 

…でも、あれはドラマで、現実は現実。

 

そんなこと、1週間もまじめにポリクリしてれば分かりますよね?

そんなドラマチックな仕事を夢見て言っているんじゃないんだけどなあ。

 

きっかけはドラマでも何でもいいと思うんです。でも本当に大事なのは、

その科の闇の部分にもしっかり向き合った上で、それでもやりたいと思えるか

だと思います。

 

救命救急科はむしろ、そういった闇の部分に対応できるがカギになるといっても過言ではありません。

ドラマのようなドラマチックでハッピーエンドな症例は、1年に一回あるかないかだ、と救急の先生はおっしゃっていました。

 

運ばれたときには心肺停止だったり、自殺だったり、虐待だったり。

患者さんが急変したことを家族が受け入れられずに医師に当たったり。

未知の感染症だって救急車で搬送された場合、ファーストタッチは救急医の役目。

命を救うために医師になったのに、重症例が多いため、死に直面する機会が圧倒的に多い診療科。

ある程度容態が安定すると転科するので、最終的に患者から感謝されないことも多いようです。

 

そんなこと、全部分かったうえで、私は救命救急科に行きたいと思っています。

なのに、なんでこんなボロクソに批判されなくてはいけないのか。。

 

 

うなぎが救急に憧れる理由

わたしが救急を志したのは、私の理想の医師像が救急医の仕事にぴったり当てはまるからです。

「目の前で人が倒れた時に、瞬時に駆け寄って確実に救命できる医師になりたい」

「どんな疾患にも柔軟に対応できるオールマイティさが欲しい」

私にとっては、これが理想の医師像です。

専門性より、幅広くアプローチできることに魅力を感じます。

だから救命救急医になりたい。

 

でも、他科の先生はこの「オールマイティ」を批判するんですよね。

 

「救急なんて専門性の無い科だ。やる必要がない。誰にでもできる。やりがいが無い。飽きたらそれで終わりだ。」

 

救急医に「慣れ」なんてありません。

アナウンスだけでどんな状態の患者さんが来るかなんて推測しかできず、初診だとカルテもないので救命しながらの手探りが始まります。

意識不明の重体と聞くと、どんなベテランの医師が担当でも、待機している初療室は静まり返り緊張感に包まれます。

 

「どんなに年と経験を重ねても、予測不可能な症例がなくなることはなくて、

いまだにサイレンの音を聞くと手に汗握る。

まだまだ勉強しつづけないといけないことが沢山あるんだよね。」

 

と救急の教授が話しているのを聞いたとき、私は救急医になりたいと確信をもって痛感しました。

 

こういう医師になって、こういう人生を送りたいって、思いました。

だから、他科の先生に、救急医を踏みにじらないでほしいんですよね。

そんなこと、直接言えませんが。笑

 

 

まとめ

自分の専門を極める、それだけが医師の役割じゃないってことです。

 

とくに救急医の場合、サブスペシャリティをとってさらに専門知識を深めますから、馬鹿にされる筋合いはないっ!!笑

ということで、わたしはサブスペシャリティを考え中です。

 

よく知らないのに他科をディスるな!ってことです。

救急の先生は悪口言わないぞ!笑笑

 

 

いやー、今回はガチトーンで語ってしまいました笑笑笑

これで3年後、ほかの科に入局してたら面白いな。(全然あり得る)

ではではまた!